賃貸マンションに住んでいると、思うことがある。
自分の家が欲しいな。
毎月家賃をどれだけ払ったって、柱一本、自分のものになるわけじゃない。
部屋が嫌になれば気軽に引っ越せると言っても、引っ越し代だって馬鹿にならない。
引っ越す必要のない、自分の終の棲家が欲しい。
住宅ローンが大変だよ、とよく聞くけれど、中古の家を選べば、毎月の支払いが、家賃より安くなる場合もあるらしい。
今日も不動産屋のチラシをながめて、考える。
「頭金0円、住宅ローンと今のお家賃をお比べください」と、チラシはうたっている。
なるほど、不動産屋の計算では、今うちが払っている家賃より毎月のローン支払いが、だんぜん少ない。
しかし、その下のほうに、小さな文字で書いてあるのを見逃さなかった。
「40年ローン」。
40年後、私は老人である。
生きているかどうかさえわからない。
子どもにローンを残すことは、したくない。
もっと早く、住宅購入を考えればよかった、と思ってしまう。
しかしそこで思い直してみる。
賃貸だろうが持家だろうが、家族がただいま、と帰ってくる場所が終の棲家だと。
住宅ローンを払って家を買うのもいいけれど、それより一人娘のために、遠くに進学すれば近くに部屋を借りて身の回りの世話をしたっていい。
いつかお嫁に行けば、家を残してやる必要もない。
歳をとったら、私は友人と部屋をシェアして一緒に暮らしてもいい。
身軽がいちばん、そう思えてきた。
なんだかこれからが楽しみになってきた。